米軍機の無線周波数変更平成15年11月7日配信 |
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通信室長がわたし達の待機室へきて、相談されました。 「昨日の夕刻から本日にかけて、米軍機と思われる無線通信が途絶えてしまったが、通信内容の軽重はともかくとして、こんなに長時間に及んで交信しないことは、いままでの経緯から踏まえて考えられない。 なにか重大なことを画策しているものと考えるが、T曹長はどう思うか」と。 米軍機が使用する周波数は、過去の経験から、短波、中波、長波とも、ほぼ解明していましたが、まる一日近くも発信がないのは異常で、早速に探索する必要があります。 『T曹長』 「米軍は無線の発信を中断したのではなく、従来から使用している周波数が日本側に解読されていることを知り、使用周波数の全面変更を行ったものと思われる。 従って、新周波数を解明するには時間と労力を必要とするが、可及的速やかに実施する必要がある。おそらく、過日の硫黄島奇襲攻撃は、日本側が通信内容を詳細にわたって把握していたことを察知したものと思う」 通信室長が司令部へ照会しましたが、司令部は現状を把握していなかったので、陸軍特殊情報部に現状連絡と照会をしたそうですが、判然とした回答はありませんでした。 室長から隊長に、現状の事態と上部に照会した結果を報告しました。 『隊長』 「上部からの指示命令を待つ必要はない。米軍が全く新しい電波を開発したとは考えられない。周波数帯域とは、貴様達も知っているようにその幅は凄く広い。その中から一定の周波数を検知することは至難の技である。 至難なことをやり遂げることが我々に課せられた任務であることは、いまさら言うまでもない。そのことを銘記し、解決策を早急に考えて実施せよ。」 通信担当兵を総動員するとともに、受信機は予備機を含めて7台揃え、24時間体制で受信機のダイヤルを慎重に回し、米軍通信を探索する作業に取り掛かりました。 空間にはさまざまな電波が飛びかっていますが、現在の無線電波周波数の割り当ては、1932年(昭和7年)に国際連盟により設立された、通信の標準を制定する国際的な組織である国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)が定めたものです。 ITUは電気通信関連の技術、サ−ビス、プロトコルなどを、標準化する世界的な組織で、150以上の国により構成され、4つの主要機関に分かれており、ジュネ−ブに本部を置いています。 PCキ−ボ−ドの英文配列を決定したのも、ITUの下部組織である国際電信電話諮問委員会(CCITT:Consultative Committee for International Telephony Telegraphy)の諮問によるものです。 (注)現在は、ITUの下部組織となり略称ITU−Tと改組されました。 因みに、和文の配列はJIS規格となっていますが、これがどのような基準で決定されたものかは判然としません。 日本では、1971年(昭和46年)9月1日、郵政大臣の認可を得て(財)日本ITU協会が説立されました。略称をITU−AJと言います。 主な活動はITUやアジア・太平洋電気通信共同体(ART)などの国際機関の各種活動への協力、ITUに関連する諸問題に関する資料の収集、調査及び研究で、そのほか、開発途上国への技術協力と国際協力に関する諸活動も行っています。 前述のITUが各国に対して無線周波数の割り当てを行い、それぞれの国が用途に応じて周波数帯域を割り当てています。(主官庁は総務省です) 2003年(昭和15年)7月に行われた情報通信審議会からの答申を受け、総務省は無線周波数の割り当てを抜本的に見直す方針を公表しましたが、既存システムへの割り当てを見直し、ユビキタス社会実現のための新たな電波ニ−ズに対して、適切な周波数を確保していく方針のようです。 しかし、防衛庁関連、特に対空監視レ−ダ−並びにミサイル用電波の改変は難しい問題が山積すると思います。 公表された周波数再編方針は、ユビキタス社会の実現、セキュリティの確保、無線LAN産業の育成を図るためで、移動体通信、無線LAN等については、今後5年スパンで見直す予定だそうです。 通信兵、和訳担当兵を動員して、寝食を忘れ約30時間をかけて7種類の周波数を検索することに成功しました。 従来は約十数種類を掴んでいましたので、後一息ですが、米軍戦闘機のA3(無線電話)を探索することができ、隊長機からの指示命令文を解読できるようになったので、概ね目的を達成することが出来ました。 もうひと頑張りで、モ−ルス信号用も判明すると確信しました。 座標の数値も変更し、いままた、無線周波数を改変するということは、連合軍の動向を探索する日本の諜報関係の能力低下を狙った戦略の一過程であって、本土上陸作戦の一端を垣間見る思いがしました。
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